Q & A: 新規進出に伴う駐在員の派遣について(2006年5月)
Q.
このたび英国に設立したグループ会社に日本人社員(家族帯同)を駐在させるべく、現在ビザの手配は進めていますが、以下についてお教え下さい。
1.住民票について 日本での住民票は海外へ転出させますが英国での「住民登録」のようなものは必要なのでしょうか。具体的には、幼稚園など公立・私立へ学校の入学するに際して住民登録が必要なのか。
2.報酬の課税扱いについて 日本国内では「非居住者」として扱い、英国で申告・納税を行う場合の申告方法や所得税率等の情報の入手は可能か。
A.
ご照会の内容に関連して以下のとおり回答申し上げます。
当館と致しましては、新たに英国進出をお考えの日本企業の皆様にどのようなご案内等を差し上げることができるかとの観点から、英国進出済みの日系企業や関係団体をはじめ、在留資格や法務、労務、税務等の面で日本企業にサービスを提供している専門家の方々からも、新規進出をお考えの企業様に対する一般的なアドバイスも含めたご意見聴取に努めているところです。
このようなご意見の中には、特に進出初期段階におけるコンプライアンス(法令遵守)の重要性を指摘される向きも多くございます。極端な場合には、駐在員の方の業務時間の殆どすべてが在留資格や法務、労務、税務上のトラブル対応にとられてしまうような例もあると聞いております。
したがいまして、まずは以下を参考にして頂き、ご照会の諸事項につきよくお調べいただくことが最善であろうと考えます。
1.「住民票」関連につきましては、
英国では日本の住民登録制度のように、住居を定めた後、市役所等に届け出る制度はありません。住居を定めると情報が自動的にその住所を管轄する地方行政庁( Council 、ロンドンは Borough Council )に登録されることになります。受けられる行政サービスについては各地方行政庁のホームページを参照して下さい。
学校の入学基準については直接学校に照会して頂くことになりますが、公立の場合、原則居住地域内の学校となります。また、日本語教育については、(財)海外子女教育振興財団のホームページを参照して下さい。 http://www.joes.or.jp
なお、着任後、在留邦人として、別途当館に「在留届」を提出して頂く必要があります。用紙は当館ホームページからダウンロードもできます。
2.「報酬の課税扱い」関連につきましては、
183日以上英国に滞在する人は居住者として英国で全世界所得に対して所得税の納税義務が発生します。詳しくは添付の歳入・関税庁のパンフレットの 1.Residence and ordinary residence 、 3.Coming to the UK 、 5.Earned income の章をご覧下さい。 また、日本貿易振興機構( JETRO )の以下のような情報やサービスをご参照・ご利用等いただくことも有益ではないかと考えます。
・海外のビジネス情報 英国: http://www.jetro.go.jp/biz/world/europe/uk/
・海外ブリーフィングサービス: http://www.jetro.go.jp/services/briefing/
なお、英国の制度や手続の詳細につきましては、最新の状況を英国貿易投資総省(UKTI)に相談されるのも宜しいかと存じます。(同省には日本語のできるスタッフも常駐していると承知しております。現時点では本件ご照会に関する情報を当館から外部に流しておりません。ご希望であれば、当館から英国貿易投資総省に対し、「追って御社の方から照会が入る」旨の連絡をすることは可能です。その必要があればお知らせ願います。)
最後に、御社社員様とご家族が当地に着任された折には、テロや災害等の緊急事態発生に備え、上でも申し上げましたとおり当館領事部に在留届を提出して下さいますよう宜しくお願い申し上げます。また、当館領事部では、日系企業の皆様との間の緊急連絡網を築いておりますので、こちらの方にも是非とも登録いただければと考えます。
以上、取り急ぎ回答申し上げます。
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