長嶺安政大使の着任ご挨拶

2019/12/11



皆様、クリスマスを前にご健勝にお過ごしのことと拝察致します。
私は、去る11月26日に英国に着任いたしました新任の日本国大使、長嶺安政です。

私にとりまして日本国大使を務めますのは、7年前のオランダ、そして直前までの韓国に次いで3回目となりますが、新たな気持ちで日英関係の前進のために全力で取り組んで行く所存です。

英国は私にとって所縁の深い国でもあります。外務省にて勤務を始めて2年目の1978年に最初に赴任したのが英国でした。大使館に配属されましたが、専らオックスフォード大学にて2年間政治学と経済学を学びました。1990年代の半ばには外務本省において英国を始めとする欧州諸国を担当する課長を務め、日英関係の進展に向けた政策の立案に関わりました。そして2001年から2002年にかけて在英国日本国大使館において経済担当公使を務め、一時期は政務担当公使も兼任しました。2013年から2016年までは経済担当の外務審議官を務めましたが、その際にはG7やG20の準備のために当時のキャメロン首相の補佐官達と深く議論をしましたし、日本とEUとの経済連携協定交渉の首席交渉官として将来の日本と欧州との経済関係の在り方にも関わってきました。

2019年という年の終わりに英国に赴任して参りましたことに大きな感慨を覚えております。英国のEU離脱のこれからの推移の如何が、英国という国の将来を形作ることになりますが、そのことが我が国と英国との関係、ひいては我が国と欧州との関係の将来に大きな影響を及ぼすことになると考えているからです。

このような中で、私は英国で大使としての仕事を始めるに当たり、以下の5項目の目標を掲げます。これから仕事をしながらこれらの目標が達成されたか、常に点検していきたいと思っております。

第一の目標は、言うまでもありませんが、既に極めて良好な日英二国間関係をあらゆる側面で、拡大・深化させるために注力することです。日本と英国は、自由、民主主義、人権の尊重、法の支配といった普遍的価値を共有するグローバルな戦略的パートナーです。日英政府間の深い相互信頼関係に基づいて更に緊密な協力関係を築いていきたいと考えます。

第二に、日英の経済関係を引き続き盤石なものとしていくことです。英国内には日系の企業の拠点が約1千を数え、英国でこれらの企業が生み出す雇用は18万人以上に上ります。このように日系企業の英国での経済活動は英国経済社会に多大の貢献をしていると言えましょう。英国のEU離脱のこれからの推移が透明性と予見可能性をもって行われることが日英経済関係の将来にとっても大事であり、私としても情勢を良くフォローし、日系企業の皆様に正確な情報を提供させて頂きながら、真に役に立つ日系企業支援を講じていきます。

第三に、日英の協力関係はグローバルな課題における協力に広がっています。気候変動その他の環境問題、テロ対策を含む国際安全保障上の問題などで日英協力を強力に推進していきます。

第四には、日英国民間の交流を進めることを目標に掲げたいと思います。今年のラグビー・ワールドカップの開催期間中は、昨年同期比で8割増の英国の人々を日本に迎えることになりました。来年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、日英の文化・スポーツ交流を更に進めるための「日英文化季間」を推進しながら、両国民間の相互理解、相互協力を進めます。

そして第五に、6万人を超える在英日本人コミュニティーの皆さんが安心して英国で生活し、仕事や勉学に励むことができる環境整備や適切な支援サービスの提供において最大限の努力をして参りたいと思います。

私は、このような目標の達成のために全力を傾けたいと思います。そのためにはロンドンのみならず英国の各地を訪れ、皆様と対話をし、皆様からのご示唆、ご助言を賜りながら施策を進めて行く所存です。

どうぞよろしくお願い申し上げます。そして素晴らしいクリスマス・シーズンをお迎え下さい。