着任ご挨拶

令和3年2月12日
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新しい日本大使の林 肇(はやし はじめ)です。私にとりまして、英国で暮らすのは初めてですが、ヨーロッパは馴染みの深い地域です。外務本省では欧州局長を務め、また、一昨年まで駐ベルギー大使兼NATO代表部大使を務めておりました。20年以上前になりますが、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部でも勤務しておりました。この度、英国に大使として着任しましたことを大変嬉しくかつ光栄に思っております。

現在、英国では、新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、大変厳しい行動規制の下にあります。英国に暮らす方々の毎日も大きく影響を受け、多くの不自由に直面されているものと存じます。在留邦人の皆様におかれましては、当館から発信しております情報も参照いただき、健康に十分ご留意くださいますようお願いいたします。

本年、英国はEUから完全に離脱し、新たな一歩を踏み出しました。英国が新たな道を歩み始めるなか、私は駐英国大使として、グローバルな戦略的パートナーである日英両国の関係をさらに拡大・深化させてまいりたいと考えております。この点、年初に発効した日英EPAは、高い水準の規律の下で、両国間の貿易・投資の更なる促進につながるものと期待しています。経済面に加えて、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力、「日本文化季間」を通じた文化・スポーツ・人と人との交流等、あらゆる分野において日英関係の強化に努めて行きたいと考えております。先日行われた日英外務・防衛閣僚会合(「2+2」)では、日英が欧州及びアジアにおける互いの最も緊密な安全保障上のパートナーであることを再確認いたしました。

日英協力は、国際社会が直面する様々な課題にも広がります。折しも本年、英国はG7の議長国を務めます。両国は、「団結した世界」の実現を目指し、ポストコロナの国際秩序づくりに向けて主導的役割を果たすことができると思います。世界の脱炭素化の前進をはじめ、気候変動対策についても、COP26をホストする英国との間で一層連携を深めて行くことになるでしょう。

私は、こうした日英関係の拡大・深化や在留邦人の皆様への適切な支援サービスの提供に全力を傾注してまいりたいと思います。引き続き、当館に対しまして、皆様からのご示唆、ご助言を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 
令和3年2月28日
駐英国日本国特命全権大使
林 肇