ロンドン安全対策マニュアル
ようこそロンドンへ、安全な滞在のために
ロンドンは、世界の中でも、もっとも魅力に溢れたエキサイティングな大都市のひとつです。その魅力に惹きつけられ、毎年何百万人もの観光客がロンドンを訪れます。ロンドンはまた、最も安全な都市のひとつでもあります。しかし、他の大都市と同じように、犯罪の被害に遭う可能性もありますので、ご自分の身の周りの安全に気を配り、持ち物に注意を払うことが必要です。このマニュアルは、安全なロンドン滞在のためにアドバイスをご紹介するものです。ロンドン警視庁と当館が協力して作成した資料をベースにしています。
トラブルを防ぐには、常にちょっとした注意を払うことが大切です。
ホテルでは
- 貴重品は、部屋の中に置かず、ホテルのセーフティ・ボックスを利用します。
- カメラやPCの機種、クレジットカード番号、パスポート番号などを控えておくと、万一の遺失・盗難の際に役立ちます。
- 外出するときは、部屋のドア、鍵を確実に閉めます。
- 部屋の鍵を預けるときは、フロントのスタッフに直接渡すか、鍵箱に入れるようにし、フロントのカウンターの上に放置しないようにします。
- ホテルのロビーやフロント付近は、誰でも入れるところであり、こういった場所を狙う泥棒もいるので、バッグや貴重品をテーブルの上や床に放置しないようにします。
外出したとき
- レストラン、バー、劇場等ではバッグを床に置いたり、椅子の背もたれに掛けたりせず、必ず目の届く所に置きます。専用のバッグ掛け用フックがある場合は、利用するとよいでしょう。
- 携帯電話の盗難が非常に多く発生しています(盗難被害件数のトップ)。携帯電話をテーブルやバーカウンターの上に放置しないようにし、街中で使用する時は周囲の様子に目を配ります。また、地下鉄の駅を出た直後は狙われやすいので、できるだけ使用を避けます。
- 現金自動引出機を使用するときは、背後などから暗証番号を盗み見られないよう、常に周りに注意します。また、様々な方法で注意をそらした隙に引き出した現金やカードを盗む手口が横行しているので、気をつけましょう。
- 夜間、徒歩での外出の際には、人通りの多い明るい通りを歩くようにします。
- 偽警官による詐欺の報告が多く寄せられています。人通りの少ない路上で声を掛けてきた男(偽警官の仲間)に親切に対応していると、警官を名乗る人物(制服の場合もあります)が現れ、犯罪捜査と称して最初に男に対し、次にこちらに旅券や財布の提示を求め、素直に応じると、気付かぬうちに財布から紙幣が抜き取られる手口です。警察が財布の提示を求めることはありませんので、怪しいと思ったら立ち去るか、大声で助けを求めてください。
タクシー
ロンドンには、認可されたブラックキャブと、認可されていないミニキャブの2種類のタクシーがあります。ブラックキャブは、トランク部分に「Licensed by the Public Carriage Office」と記された白い認可プレートが付けられており、同様のものが車内にも掲示されています。
道で流しのタクシーを拾おうとしているお客を乗せてよいのは、ブラックキャブのみとなっています。ミニキャブがこれを行うと、事故のときなど保険がきかない場合があります。
繁華街
数は多くないものの、避けた方が無難なバーもあります。アダルト向けショーという宣伝文句で誘い込み、飲み物に法外な代金を請求したり、ホステスを同席させて、その分の料金を払わせたりします。店の素性が確かでないときは、入らないようにしましょう。
また、性的サービスの誘いはお金だけを騙しとられる例が多いので、誘いに乗らないよう十分注意しましょう。
薬物
英国においては、違法とされている薬物の所持、販売ともに犯罪です。コカイン、ヘロイン、エクスタシー、大麻などがその一例です。
ナイトクラブや路上での薬物の購入や使用などを持ちかけられたら、直ちに拒否しなければいけません。ぐずぐずしたり、万一誘いに乗ってしまったりして、周辺を潜伏捜査中の私服警官に見つかると、逮捕されてしまいます。
物乞い
路上で物乞いすることは犯罪です。繁華街で見かける物乞いの多くは薬物中毒者で、薬物を買うためにお金をせがみます。これらの人々による不法薬物の購入は、地域に多くの問題を引き起こしているので、お金を与えないようにしましょう。
銃刀類
英国においては、ナイフや銃などの武器を所持することは犯罪です。また、他の欧州諸国と異なり、催涙ガススプレーやペッパースプレーの所持も違法ですので注意が必要です。
スリ
- スリは混雑の中で行われます。以下の点に注意し、スリから身を守りましょう。
- 財布は内ポケットに入れ、ズボンの後ポケットに他人から見える状態で入れない。
- 貴重品をリュックサックに入れて持ち歩かない。混雑の中ではリュックサックのジッパーを開けることは簡単にできます。
- ハンドバッグ等は留め具、ファスナーをきちんと閉めた上で、ファスナー部分を内側にして体の正面に位置させ、しっかりと持つ(ショルダーバッグはたすき掛けにする。)
- ホテルのかぎなどを持ち歩く場合は、住所を特定できる物とは別々に携行する。
- レジで支払いを待っているときは、所持金が見えないようにし、お釣りも見えないようにポケットにしまう。
- 宝石を身につけているときは、移動中や人込みの中では見えないようにする。
- 突発的な騒動などが起こった際は、特に注意することが大切です。財布などを狙うスリが、人の注意をそらすために企てた可能性もあります。
それでも被害に遭ってしまったら
緊急時には999番
緊急でない問い合わせは、101番もしくは最寄りの警察署 まで
在英国日本国大使館領事班
101-104 Piccadilly, London W1J 7JT
Tel: 020 7465 6565
Fax: 020 7491 9328