第13回和解レセプションの開催

 

 

 

2009年7月30日








2009年7月30日、当館において海老原大使主催第13回和解レセプションが開催され、元英国人戦争捕虜、日英和解交流事業に携わる方々を含め、総勢125名の皆様に出席頂きました。ご出席者の方々は、相互に親交を深められるとともに戦後和解の取組みへの思いを新たにされました。

本レセプションが1997年より開催されるようになった経緯は、1995年より開始された「平和友好交流計画」に遡ります。日本政府はこれまで、第二次世界大戦中に多くの人々に多大な損害と苦痛を与えたことに「深い反省と心からのお詫び」を表明してまいりましたが、戦争の悲惨さと教訓を若い世代に伝えるとともに、英国を含む関係諸国との間に深い理解と信頼に基づいた関係を築くことを目的に、「平和友好交流計画」を実施し、英国でも元戦争捕虜(POW)及びそのご家族を日本に招聘する事業を支援してまいりました。当館での和解レセプションは、これらの事業の成果を確認し、関係者の交流を場として1997年より開催し、日英交流事業に携わる方々を中心に、様々な世代、ご出身、研究者や報道関係よりご出席をいただいております。「平和友好交流計画」自体は2004年をもって終了となりましたが、2005年以後も本レセプションを引き続き開催することで、戦後和解の更なる進展に貢献することを目的としております。

本レセプションでは、海老原大使がスピーチを行い、戦後和解にご尽力された方々に敬意を表明するとともに、昨年150周年を迎えた日英関係が今日まで発展してきた根底には、和解への取り組みが極めて重要な役割を果たしてきた旨述べました。また、スピーチでは、元戦争捕虜のサミュエル・フォール卿のエピソードもご紹介しました。フォール卿は、第二次世界大戦中の1942年、インドネシア沖で漂流中のところ、日本海軍駆逐艦「雷(いかづち)」に救出された英兵の一人で、フォール卿は「雷」の乗組員220名がインドネシア沖で漂流していた422名の英海軍兵を救出した逸話を戦後になって公開しました。これが契機となり、日本でも工藤艦長(当時)を偲ぶ式典が開催され、2008年12月に埼玉県で実施された墓前祭にはフォール卿も出席されました。

席上、海老原大使が述べましたとおり、本レセプションが日英の友好関係に引き続き貢献することを願う次第です。