東北の高校生、ウェンブリーでプレイ!

 

2011年11月30日

11月24日、東北の被災地から日本人高校生16名が訪英し、サッカーの聖地・ウェンブリースタジアムでプレイしました。イングランド・サッカー協会(FA)から被災者への支援としてスタジアムを提供したいとの申し出があり、在英日本大使館と日本商工会議所の共催によって試合が実現しました。マンチェスターから遠路はるばるかけつけたイングランド・サッカー界の伝説的名選手、サー・ボビー・チャールトン氏をはじめ、オリンピック・メディア・スポーツ担当大臣のジェレミー・ハント氏、デービッド・バーンスタインFA会長らも観戦しました。

このすばらしい行事は、4月に、林景一大使がバーンスタインFA会長を訪れ、東日本大震災の被害状況と被災者支援の必要性を説明したことを機に実施されることになったものです。バーンスタイン会長によると、「震災の惨状で苦しむ日本の人々を助けるために何かをしなければいけないとする林大使の強い意欲に感動した。」ということで、早速、復興支援のために使ってほしいということでウェンブリースタジアムの無償提供の申し出がありました。林大使はこれを受けて被災地東北の高校生をウェンブリーに招いて励まそうと思い立ち、日本サッカー協会にお願いして岩手、宮城、福島3県の高校生による選抜チームを編成してもらいました。そして、この趣旨に賛同頂いた各団体の共催、協賛、協力により、夢の舞台ウェンブリーでの被災地高校生サッカーマッチが実現しました。

歓迎スピーチの中で、林大使は、訪英した高校生や震災の影響を受けた東北の人々に対しておくやみとともに、このような特別なイベント実現のため、奔走した関係者への感謝の言葉を述べました。

また、「本日の試合は東北から来た16名の生徒たちにとって忘れられない思い出となるでしょう。」と述べ、高校生たちに、この特別なピッチでのプレイを楽しみ、テクニックを堂々と披露してほしいと励ましました。さらに、遠く離れた英国で、たくさんの英国人や日本人が温かく東北の人々を見守っているというメッセージを持ち帰ってほしいと述べました。

東北三県選抜は帝京ロンドン学園やLondon Japanese FCと対戦し、いずれの試合でも勝利しました。

試合後、サー・ボビー・チャールトン氏から、東北三県選抜の16名の選手に対し、ロイヤルボックスで、記念品が贈呈されました。また、同氏は「自分が15才のときに、はじめてウェンブリーのピッチに立ったときの感動は今も忘れられない。被災地の高校生たちにも同じ思いを共有してもらえることを嬉しく思う。」と述べました。

東北チームキャプテンの斉藤一樹さんは試合後、自分やチームメートがウェンブリーへの招待を受けてどれほど感激したかを語り、「自分たちがここでプレイをするなど考えてもみなかった。この機会が与えられて光栄だ。」と述べました。また、「今回のメンバーは東北地方の異なる県から集まっているが、皆大事な家族や友人、また家を失うといった同じような経験を乗り越えてきた。自分の家族は、震災以来幾度も引っ越しを繰り返している。約一カ月の間全くサッカーが出来ず、サッカーをやめてしまおうかとまで考えたが、ここで試合することが出来て、サッカー、特に国境を越えた支援や親善試合がどれだけ大切かということに気づいた。今後も自分の人生の一部としてサッカーを続けていきたい。」と述べました。

 


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