Webinar in Japanese with automated English translation
第二次世界大戦中のアウシュヴィッツ収容所での大量虐殺と広島・長崎への原爆投下は、人類史上最も悲惨で残酷な出来事であった。この7月に刊行される「アウシュヴィッツの聖人を追いかけてーーある被爆者と桜守の物語」(岩波書店)は、アウシュヴィッツで自らの命を他人に捧げて斃れたマキシミリアノ・コルベ神父、長崎原爆を生き延びた小崎登明さん、桜研究家で平和活動家の浅利政俊さんの3人の足跡を重厚に描いたノンフィクションで、3人が想像を絶する苦しみを通じていかに悪と闘い、光と人間性を追求したかを綴る。驚くべきことに、日本の桜が平和の象徴として3人の人生を繋ぐ。
ウェビナーでは著者の阿部菜穂子氏がまず、3人の人生と平和へのメッセージを語り、混迷を深める現在の世界で彼らの生と死を知り、伝言を受け止めることの大切さを話す。その後、今も健在の浅利さん(94歳)が北海道から参画し、著者と対談。日本の過去を償い、イギリスを含め世界各国と友好関係を築きたいとの思いで過去70年にわたり自ら創作した美しい桜を海外に贈り続けてきた浅利さんの平和活動について、両者が語り合う。
在英ジャーナリスト、ノンフィクション作家として日本語と英語の両方で執筆活動を続ける。日本語の著作は計5冊。「チェリー・イングラム――日本の桜を救った英国人」(2016年、岩波書店)で第64回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。2019年春にはこの本の英語版を英米等英語圏で出版。同書は大きな話題を集め、8か国語に翻訳され「歴史作家協会 歴史ノンフィクション最優秀作品賞」にノミネートされた。2024年2月には戦争と平和を考える英語の新著 ‘The Martyr and the Red Kimono’ を出版。日本語版がこの7月、「アウシュヴィッツの聖人を追いかけてーーある被爆者と桜守の物語」とのタイトルで岩波書店から刊行される。
1931年生まれ。北海道・七飯町出身で、日本を代表する桜の育種家。小学校教諭を務めながら長年桜研究を続け、116種類の新種の桜を創作。それらは「松前桜」と総称されて世界各国に普及し、愛されている。郷土史家として戦時中の北海道での朝鮮人強制労働者や連合軍捕虜の実態を明らかにした。戦前・戦中の日本の行為を償い各国と平和構築するために、自ら創作の桜を海外に贈り続けてきた。
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